山田

シンデレラの山田のネタバレレビュー・内容・結末

シンデレラ(1950年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

しあわせな気持ちになりたくて引き続き鑑賞。
白雪姫とはまた違った魅力を放つシンデレラ。継母とその娘アナスタシアとドリゼラから奴隷のように扱われ、終えては追加され続ける仕事に疲れたり、朝聞こえてくるお城の時計の音だったりに苛立ちながらも夢を抱き、信じて辛い時も乗り越えていこうと気丈に振る舞う姿が刺さる。夢をみる事だけでは乗り越えられないよシンデレラって思うけど、それだけ強くいられる夢が私には無いのかもしれない。大きな夢を自分が持ってない事に気付かされる。
継母と娘たちがよくもまあそんな嫌な事が思いつくねって思うくらい嫌な事ばっかりしてくる。飼い猫もそう。こんな嫌な顔の猫を生み出せるディズニーの画力…この3人と1匹がめちゃくちゃ嫌なやつすぎてシンデレラを観た後に心の引っかかりとして残ってしまった。
シンデレラは耐え忍ぶタイプでたまに口答えするけど全然相手にしてもらえなくて仕事を増やされてしまってたけど、そんなシンデレラを支えるネズミと鳥たちの存在は素晴らしかった。ほとんどネズミががんばってた。
1番の見どころでもあるシンデレラの変身シーンは心がウキウキした。ドレスをボロボロにされて心が折れてしまったシンデレラが「もう無理よ」と弱音を吐いてしまった瞬間は泣けた。猫に掃除の邪魔をされても気丈に振る舞っていたあのシンデレラの口から溢れた言葉が悲しすぎて悲しすぎて。
でも願ったって叶わないと言っても心では叶うと信じているからこそ妖精が現れたってのも素敵。瞳の色に合わせて作られたドレスがキラキラで本当に綺麗だった。
わたしがプリンセス映画の中で1番好きな王子様は本作のチャーミング王子なんですが、今見たら彼はほぼなんにもしてないんですね。恋に落ちただけ。
残されたガラスのくつに合う女性を探せと命じられた大公様がトレメイン家にやってきた時、シンデレラに履かせないためにトレメイン夫人はくつを割ってしまうけど、今なら夫人の行いがどれほど悪い事でシンデレラへのいやがらせだけでは済まない事だと分かるからゾッとした。
仮にあれでシンデレラが見つからなかったら大公様も罰せられてるし、割った大元の夫人やその家族もただでは済まなかったんじゃないか?あの王様だったら直ちに死刑にしそうだな、なんて思った。
ところでなんでガラスのくつだけが残ったんだろう。妖精の気まぐれか、なにかしらの因果があって残るしかなくなったのか。こういう理由を考えるの無意味だけど好きです。
山田

山田