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必殺の一弾のturkeyのレビュー・感想・評価

必殺の一弾(1956年製作の映画)
4.6
「早撃ち名人で長生きした奴はいない」、この映画はそれでも名を馳せたいならず者と、そうなるのが嫌で名を捨てている男ジョージの物語。
開拓時代に「銃を持たない男」がどういう視線に晒されるか、それによる苛々、悶々はちょっと西部劇に対するアンチテーゼっぽい所が有って面白いけど、結局、解決は力でという西部劇に帰り着いてしまうのは、ニューシネマ以前の西部劇だから仕方ないかな。ジョージが銃を捨てきれないと悟った奥さんが愛しながらも離別を決意したり、住民の一部が掌を返す所は「真昼の決闘」(フレッド・ジンネマン監督、1952年)を彷彿とさせます。
 この苛々、悶々の部分は額に浮かぶ汗と相まって観ていてちょっと鬱陶しいのだけど、この鬱陶しさ有ってのラストだから文句は言えない、この心和む終わり方があるから西部劇の佳作に仕上がっているのでしよう、一見の価値ありと思います。

※ならず者ハロルドは時々、石塚英彦に見えるしジョージは岡村隆史に見える。(笑)
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