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ダンボのkanacoのレビュー・感想・評価

ダンボ(1941年製作の映画)
3.5
ダンボと呼ばれる耳が大きな赤ちゃんゾウを主人公にした初期ディズニーアニメ映画。コンプレックスを抱えるダンボが自身の才能と個性に気がつく物語で〈悩みの種こそが本当は幸運の鍵である〉というポジティブなメッセージを感じます。でも終盤まではなかなかヘビー🥺聞き馴染みのある楽曲たちが良き😄(140文字)

****以下ネタバレあり&乱雑文****

◆あらすじ◆
サーカスのゾウ・ジャンボは生まれたばかりの我が子にジャンボ・ジュニアと名をつける。しかし周りのゾウたちは赤ちゃんの耳がとても大きく、見た目が自分たちと違っていることを揶揄って笑い〈ダンボ〉と呼んだ。ダンボは母から愛情を注がれて育つが、ある日サーカスを見にきた人間の子供たちから耳のことで虐められてしまう。それを見たジャンボは怒ってダンボを守ろうとするが、事態が大きくなり〈凶暴なゾウ〉として鎖につながれて檻に入れられてしまった。ジャンボと引き離されたダンボは耳が大きいことでバケモノ扱いされ、他のゾウから無視され、舞台でのさらなる失敗をきっかけに〈ピエロ=笑われるモノ〉としての暮らしを余儀なくされてしまう。ダンボの唯一の友人であるネズミのティモシーはダンボを救おうと奮闘するが…。

❶コンプレックスを抱えた赤ちゃんゾウが自分の才能と個性に気がつく物語

『ダンボ』は耳が大きな赤ちゃんゾウを主人公とした1941年ディズニー制作の長編アニメ映画です。白雪姫→ピノキオ→ファンタジアに次ぐ4作目。絵のタッチは他作品より写実観が若干抑えめ。水彩感はありつつもカラフルでコミカルさやオモチャ感、デフォルメなキャラクターっぽさが少し残っており、お子さまも親しみやすそうな大らかな色彩とデザインです😊🎨

舞台はサーカス。サーカスのゾウであるジャンボの元に生まれた赤ちゃんゾウ〈ジャンボ ・ジュニア〉が主人公であり、動物サイドの視点で物語が進みます。

赤ちゃんは生まれつき大きな耳を持っていました。それが周りには異質な容姿に映り、母親以外のゾウからは疎まれ〈ダンボ〉と呼ばれます。この大きな耳はダンボ自身にとっても厄介で、事あることに耳を踏んで転んでしまい時にはそれが大きな災いへと発展します。優しい母親と無理やり引き離され、ピエロとして見世物にされ、モノのように扱われてしまうゾウの赤ちゃん…😥

唯一ダンボに寄り添うのはネズミのサーカス団員のティモシーのみ。ティモシーとダンボは現状を打破しようと奮闘。やがてその大きな耳が実は〈不幸〉などではなくダンボの〈素晴らしい才能と個性〉であると気がつき、ダンボが自分を信じて己の殻を突き破るという物語です。〈悩みの種こそが本当は幸運の鍵である〉というポジティブなメッセージを打ち出します。

ジャンボとダンボを始めとした〈動物の母親と赤ちゃん〉たちが登場し、親子の仲睦まじさや仕草がとても可愛い作品なのですが、本筋となるダンボの物語はポジティブなメッセージに辿りつくまでかなり重いです。

子供がサーカスや見世物小屋で悲惨なめに会うというのはピノキオも同じですが、無垢なるもお調子者で少々自業自得感も否めないピノキオが騙される様子以上に、まだ言葉を話すことができない小さな赤ちゃんゾウが、あれよあれよという間に悪い状況に追いやられ仲間のゾウやサーカス団員に虐められ、声もなくポロポロと涙をこぼす様子はかなりヘビー。中盤からは口達者でコミカルに動くティモシーだけが場を明るくしてくれます🥺

っていうか、ティモシー、こんなにイイ奴だったのか🤔ディズニーランドのアトラクション『空飛ぶダンボ』の真ん中になんかいる〈謎ネズミ〉だとしか思っていなかった🤣

❷聞き馴染みのある楽曲たちが豊富なのも楽しい!

一番有名な曲は、ジャンボがダンボのために…母親が我が子のために歌う子守歌のような優しいバラード「かわいいぼうや おやすみぼうや なみだ ふきましょう おやすみ 静かに🎶」の『かわいい坊や』かと思いますが、実は切ないシチュエーションで歌われる曲だったとはビックリ😥

あ、これダンボの曲だったのだ!とビックリしたのは「ケイシー・ジュニアがくるぞ サーカスがやってくるぞ 丘をこえてくるぞ きこえるかい きこえるよ シュシュポポ ウキウキ走る おまたせしました 皆さん🎶」と歌う蒸気機関車の『ケイシー・ジュニア』の曲!メロディはディズニーランドで何度も聞いていたし、歌入りもCD持っていたけどこの機関車の曲とゾウの物語が全然結びついていなかった!

なお不気味なトラウマソングとも名高い『ピンク・エレファンツ・オン・パレード』は今回初めて見ましたが、確かに悪夢感が強い1曲😂癖のあるサウンドとピンクのゾウたちの行進や演出はサイケデリックでさえあり、『ファンタジア』や後の『不思議の国のアリス』、『クマのプーさん』の〈ズオウとヒイタチ〉などに通じる奇妙で愉快な悪夢世界へ誘うという感じでした😂

🐘🐝「小さい頃にアニメーション絵本を持っていましたが、映画は初鑑賞でした。やっぱり子供の頃に絵本でサラリと読んだ時より、大人になってアニメで見るとダンボの境遇の暗さはより強く感じました。

ディズニーランドに行くと子供たちでにぎわう『空飛ぶダンボ』のアトラクションをいつも横目で見ていましたが、次回行った時は子供たちを乗せて空を飛ぶダンボたちをちょっと感慨深く見上げちゃいそうです🤭」
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