ムック829

スモークのムック829のレビュー・感想・評価

スモーク(1995年製作の映画)
4.1
煙草を吸いまくりな人達が織り成す、嘘かホントかわからない群像劇。

今年のクリスマス映画は何にしようかとふとDVDの棚に目をやったところ、この映画が飛び込んできたので久しぶりに鑑賞。
なんとも味わい深くて良かった!どいつもこいつも人間みがあって、見て見ぬふりが出来ず、嘘かもしれないと思いつつ結局手を差し伸べてしまう。その優しさが人間らしくて沁みた。
時には嘘も必要だし、騙されてあげるのも必要なんだなと思わされる素敵な映画でしたね。

第5章は特に良かった。クリスマスの思い出を語るハーヴェイ・カイテルに対し、超長回しでじわじわとカメラが迫っていく。
それはもう画面から顔面がはみ出るほどに迫っていき…近すぎやせんか?
でもその語りが上手すぎて、手に取るように情景が浮かんできて。というかよく台詞を覚えられるなと感心。
そしてその語りが再現されるエンドロールがたまらなく愛おしいんですよね。

煙草の煙りの臭いがまるで服に染み入るように?人の根底にある優しさがスッと染み入る素敵な映画でした。
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