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ウインダリアのmitakosamaのレビュー・感想・評価

ウインダリア(1986年製作の映画)
3.5
幻夢戦記レダの成功を受けて、カナメプロが監督・湯山邦彦×キャラいのまたむつみで挑んだファンタジー映画。
一応、雨月物語をベースにしているそうだが、世界観が違い過ぎてパッと見は判らないね。でもハッピーエンドではないビターなエンディングは、とっても純文学っぽい。それ故に娯楽作として見ると後味の悪さも気にはなるんだけどね。

平和だったパロ・イサの両国間で戦争勃発。
サキの村のイズーは妻マーリンの制止を振り切り戦争で身を立てようと出兵。パロも志願するも邪険に扱われ、功を焦りイサの水門を開く暴挙に。
結果、英雄になり酒池肉林。でもサキの村も戦場になり後悔。
また、パロの王子とイサの王女とのラブロマンスなどもある。

いのまたキャラの洗練さにファンタジーテイストがよく似合う。
主人公イズーは金髪ツンツンで黒服と、まるでファイナルファンタジーのキャラみたい。良くも悪くも格好良過ぎて、村の青年というには垢抜け過ぎてる気もするな。

演出的にも見所が多多ある。例えばイズーが英雄に祭り上げられ家でパーティをしているシーン。街灯に蛾が集っているカットがあるんだよね。あれでイズーの性格が荒んでしまったことを上手く表現している。湯山ってやっぱり上手いんだなと感心。
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