ベル

ピアノ・レッスンのベルのネタバレレビュー・内容・結末

ピアノ・レッスン(1993年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

頑なな眼差し。エイダにとってのピアノ。その価値を最初から理解した男と、そうではなかった男。なるほど、全ては最初から決まっていたのだなぁ。
とはいえどうにかして彼女の心を開こうとしていた夫は可哀想でもあった。心まで欺かれていたと知った末の凶行も、彼女より彼に同情してしまった。しかもその後も愚かな行動に走らず二人を自由にした。もしも彼女が今のこの夫に心を許していたならそれはそれで幸せになったのではないかと思う。
それにしても娘、ポイントポイントでやらかしてくれる。お陰でよりドラマティックになったのだけれど。
ピアノに繋いだロープに足を取られ一緒に海に沈んでいくエイダの表情が一転、生きるのだというそれまでのどの時よりも強い意志に満ちた瞬間がとても良かった。

公開当時の予告やスポット広告、あのピアノの旋律が印象的なばかりで内容もよく知らないまま時は過ぎ。デジタル4Kリマスター版にて初鑑賞。思った以上に内容の濃い作品だった。
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