時代は1920年代。
場所は東欧らしいある街。
画面はモノクロで、怪しい影が出たり入ったりしている。
霧の深い日に連続殺人鬼が現れるという。
殺害方法はピアノ線を使っての絞殺。
街の連中は、
警察があてにできないということで、
自警団を結成し、
アレンにも参加を強要する。
いやいやながらも支度をして、
渋々参加するために表に出ると誰もいなくなっている。
そうこうしているうちに、次々と殺人は行われ、
アレンは娼館に逃げ込んだりサーカス小屋に逃げ込んだり。
恐るべき殺人鬼は捕まるのでしょうか・・・
と、いうことで、
画面の雰囲気や影、音楽の使い方に、
フリッツ・ラングの『M』を連想する。
理不尽に殺人犯に祀り上げられるアレンの扱いは、
あるいはユダヤ人迫害を比喩したものか。
もちろんアレンの設定は、
気が弱くインテリ臭くどんくさいいつものキャラクターで、
相変わらずの一人コメディ演技を楽しめるのだが、
どちらかというと全体として重く、暗い。
娼館の娼婦たちのキャスティングが豪華で、
マドンナやジョディー・フォスター、
リリー・トムリンやキャシー・ベイツなどが顔をそろえる。
男優陣も、
ジョン・マルコヴィッチやジョン・キューザック、
ドナルド・プレザンスとなかなかの顔ぶれ。
アレンの趣味に凝ったお遊び映画だと思いますが、
ラストのサーカス小屋のトリックはちょっと面白かった。
音楽には『三文オペラ』が使われている。