がちゃん

ウディ・アレンの影と霧のがちゃんのレビュー・感想・評価

ウディ・アレンの影と霧(1992年製作の映画)
3.4
時代は1920年代。
場所は東欧らしいある街。
画面はモノクロで、怪しい影が出たり入ったりしている。

霧の深い日に連続殺人鬼が現れるという。
殺害方法はピアノ線を使っての絞殺。

街の連中は、
警察があてにできないということで、
自警団を結成し、
アレンにも参加を強要する。

いやいやながらも支度をして、
渋々参加するために表に出ると誰もいなくなっている。

そうこうしているうちに、次々と殺人は行われ、
アレンは娼館に逃げ込んだりサーカス小屋に逃げ込んだり。
恐るべき殺人鬼は捕まるのでしょうか・・・

と、いうことで、
画面の雰囲気や影、音楽の使い方に、
フリッツ・ラングの『M』を連想する。

理不尽に殺人犯に祀り上げられるアレンの扱いは、
あるいはユダヤ人迫害を比喩したものか。

もちろんアレンの設定は、
気が弱くインテリ臭くどんくさいいつものキャラクターで、
相変わらずの一人コメディ演技を楽しめるのだが、
どちらかというと全体として重く、暗い。

娼館の娼婦たちのキャスティングが豪華で、
マドンナやジョディー・フォスター、
リリー・トムリンやキャシー・ベイツなどが顔をそろえる。

男優陣も、
ジョン・マルコヴィッチやジョン・キューザック、
ドナルド・プレザンスとなかなかの顔ぶれ。

アレンの趣味に凝ったお遊び映画だと思いますが、
ラストのサーカス小屋のトリックはちょっと面白かった。
音楽には『三文オペラ』が使われている。
がちゃん

がちゃん