あっくん

過去のない男のあっくんのレビュー・感想・評価

過去のない男(2002年製作の映画)
4.6
前回“かもめ食堂”ガチレビュー時に見つけて気になっていた、かもめ食堂の中の元店長さんマッテイ役で今は亡きマルック・ペルトラ出演作品。

🤕あらすじ
フィンランド、ヘルシンキ。
この地に向かう列車の乗客の中にその男はいた。たどり着いた夜の公園で彼は一眠りしていたが、そこに現れた3人組の暴漢に身ぐるみ剥がれた上にバットで執拗に殴打され、半死半生の身で病院に搬送された。
一時は死んだと診断された男だったが奇跡的に蘇生した。(突然過ぎるけどwww)(・・;)

その後、港の岸辺で再び昏倒していた男を救ったのは、コンテナに住む一家であった。徐々に回復していった彼であったが、彼は頭を殴られたことによって、それまでの記憶、それまでの自分を失ってしまっていた。

🤕感想
フィンランドの映画監督の巨匠アキ・カウリスマキ“敗者三部作”(浮雲、街のあかり)の二作品目だそうです。(私は今回初めての観賞🎶)

映画の中はゆっくりと時が流れている様な感覚で、哀愁漂う静かで独特的な世界観…。
……でも何処か少々シュールなコメディチックにも感じさせる大人作品。
その独特的な雰囲気が癖になるかもしれない!?

暴力による突然の記憶喪失と貧乏生活でしかも職安にも登録できない(記憶喪失だから)…と結構悲惨な展開なのに何故かそれを感じさせない…。
少しずつ前を向いて歩き、周りの不器用な温かさと優しさがジワジワと伝わってくる…。
過去を思い出そうとしているのではなく、新しい人生へと進んでいく姿には前向きな希望も感じて好感✨(*^^*)

そして出演者達の表情がほぼ無表情💦
……なのに、不思議なことに喜怒哀楽が若干伝わってくる所が凄い💦(・・;)
特に本作でカンヌ国際映画祭女優賞を受賞したカティ・オウティネン演じる救世軍の中年女性イルマは無感情なのに何となく照れてたり喜んでいたりと初々しさが伝わってきます🎶
そしてデートはきのこ狩りwww

驚きな事に終盤でまさかの日本食と日本酒、日本の有名バンド音楽が登場!!Σ(゚Д゚)
かもめ食堂と同等、日本とフィンランドの繋がりを感じます✨
そして本作の中で登場した可愛いメス犬の名前がまさかの〇〇〇〇〇www(有名サスペンス映画の名前)
しかも本作でカンヌ国際映画祭パルムドッグ賞(優秀な演技とした犬に送られる賞)にも受賞した名犬だそうです🎶

雰囲気、内容、演技力、サプライズ?と予想を斜め上の方向へと感じさせた不思議な魅力、ハマったら癖になる様な作品かと思いました🎶

🤕キャスト
監督はアキ・カウリスマキ(希望のかなた、ル・アーヴルの靴みがき、)

記憶喪失の男M役のマルック・ペルトラ(かもめ食堂)。

イルマ役のカティ・オウティネン(アキ・カウリスマキ作品の常連)。

主人公を助けたニーミネン夫婦役のユハニ・ニユミラとカイヤ・パリカネン。

悪徳?警官アンティラ役のサカリ・クオスマネン。
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