これは皆で協力して御伽噺を支える土台を築きあげる話。
ナットはダニエルにお父さんになってほしいんだよ。でも、その本音を呑み込む。
クレアにとっても正直、理想の王子様でしょう。でも、そのロマンチックに流されない。
ダメ男ウォーカーだったクレアは、ダニエルとヘレンの御伽噺を実現させたかった。子供の頃から裏切られ続けたロマンチックラブイデオロギーを、もう一度、実現させることによって信じたかった。
子供たちはまだ、物語に裏切られたことがないから、ダニエルの存在を不気味がらないで信じて応援できた。一方のクレアは、そんなことあるわけないって一度ははねつける。それは何でか？大人はね、もう不思議とかロマンとか、懲り懲りなわけ。傷心による防衛がはたらく。
ダニエルの存在はさ、てかハリーの研究はさ、大人に子供の心をもう一度移植するようなものだよ。
永遠の愛を信じない大人が、もう一度永遠の愛を信じるまでの物語。
