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天国の日々のkazu1961のレビュー・感想・評価

天国の日々(1978年製作の映画)
3.6
▪️Title : 「天国の日々」
Original Title :「Days of Heaven」
▪️First Release Year:1978
▪️JP Release Date :1983/05/13
▪️Production Country: アメリカ
🏆Main Awards :1978年アカデミー賞撮影賞
▪️Appreciation Record :2020-443 再鑑賞
🕰Running Time:94分
▪️My Review
〜エンニオ・モリコーネを偲んで①〜
テレンス・マリックには怒られますが、ほんと美しい映像と素晴らしい音楽が有れば感情は動かされますよね。そんな代表的な作品かと思います。
そう、エンニオ・モリコーネの音楽もさることながら、アカデミー撮影賞に輝いたように、ネストール・アルメンドロスによる徹底したリアリスティックで美しい映像が高く評価されている作品です。
20世紀初頭のテキサスの農場を舞台に、雇われた労働者達の姿と、人間の弱さと脆さ、そしたロマンチックな三角関係を非の打ち所がないほどの完璧な映像で描いた作品なんですね。

夕暮れ時のシーンは全て「マジック・アワー」と呼ばれる時間帯に撮影されました。日が沈んでから完全に夜になるまでの約20分ほどのこの時間にこだわり、沈んでしまった太陽から洩れた仄かな光がどこからともなく差し込んできて風景全体を柔らかく包み、自然や人物が劇的に美しく見えるように撮影されました。(参考:Wikipedia)

人口的な光を極力避け、その場の状況次第で撮影を行うなど、映像へのこだわりが強いアルメンドロスを起用したマリック監督の初期作品から強いこだわりを感じます。
また、セリフの少なさが際立った作品でより映像美や音楽が強調されたのかもしれません。オープニングのシークエンスなどは全くの台詞がありませんし、全篇を通じて「語り部」を多く使っています。リチャード・ギア扮するビルの妹リンダ(リンダ・マンズ)のナレーションですね。
本作、『ツリー・オブ・ライフ』がカンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞したテレンス・マリックが、1978年に発表した監督第2作です。20世紀初頭のテキサスの広大な農場を舞台に、時代に翻弄される若者たち4人の青春、希望、挫折が描かれています。主演は、若き日の『愛と青春の旅立ち』で大ブレイクする直前のリチャード・ギアです。

物語は。。。
第1次世界大戦が始まったころ、シカゴの製鉄工場で働くビリー(リチャード・ギア)は仕事を辞め、妹のリンダ(リンダ・マンズ)と恋人のアビー(ブルック・アダムス)と共にシカゴを飛び出します。テキサスの農場で麦刈り人として働くことになったビリーだが、若き農場主チャック(サム・シェパード)がアビーに目を付けたと知り。。。

本作の神々さと美しい映像。『天国の日々』という題名は旧約聖書の「申命記」に出てくる言葉からとられたものです。聖書を想起するエピソードが物語の骨格を成しています。このことを理解すれば、『ツリー・オブ・ライフ』と同じように、本作でも聖書の教えは?神の存在は?という問いかけが不可欠になるんですね。。。

▪️Overview
本作の後「シン・レッド・ライン」(1998)まで20年にわたり沈黙する巨匠テレンス・マリックの監督第2作。79年・第32回カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞。1910年代、青年ビリーと妹リンダ、そしてビリーの恋人アビーはテキサスの農場に流れ着き、そこで働き始める。やがてビリーの妹と偽っていたアビーに惹かれる農場主のチャックが病気で余命幾ばくもないことが発覚。ビリーはアビーをチャックと結婚させ、そのお陰で厚遇を受けることに。しかしチャックは妻とビリーの関係を疑い……。彼らの葛藤と皮肉な運命を静謐な演出で綴る。名手ネストール・アルメンドロスの映像美は圧巻。2011年8月、特集上映「ZIGGY FILMS '70s '70年代アメリカ映画伝説 第2弾」でリバイバル。(引用:映画. com)

主演は、リチャード・ギア、ブルック・アダムス、サム・シェパード、リンダ・マンズ。
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