YasuhitoArai

アンデスの聖餐/人肉で生き残った16人の若者のYasuhitoAraiのレビュー・感想・評価

3.2
1972年10月にウルグアイからチリに向かった旅客機がアンデス山脈に墜落遭難し、雪山で生き残った若者達が死体の人肉を食べて生還した「ウルグアイ空軍機571便遭難事故」についてのドキュメンタリー。
映画『生きてこそ』と同じ題材。

vapから出された日本語ナレーション版だと、当事者達ヘのインタビューが吹き替えられてなかったり、文字が出る場面での字幕もないのでとても残念。
ただ、事件のあらまし的な部分については把握できた。生還時の当事者達の映像が見れたのは良かった。

雪山で食糧が尽きた中で、たんぱく質不足で死ぬのを阻止しようと、死体の肉を食べたという事実は知っていたけど、脳や心臓、肝臓等の臓器まで食べていたのは知らなかった。そういった臓器まで食べるぐらいに食糧が不足していたのだろうか。躊躇して死にかけていた仲間の口に肉を詰め込んで無理矢理食べさせたというエピソードが印象深い。
人は死のうと思っても簡単には死ねない。

人肉を食べたという部分でエクスプロイテーション(=見世物)映画的に扱われる作品だけど、内容も作品のトーンも至って真面目なドキュメンタリー。
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