もりりた

タクシードライバーのもりりたのレビュー・感想・評価

タクシードライバー(1976年製作の映画)
3.5
不眠症に苦しむトラヴィスは夜勤のタクシードライバーの仕事を始めるが、そこで見えるのは退屈な街と人々。苛立つトラヴィスだが美しいベッツィーとの出会いに運命を予感しアプローチを試みる…ただでさえ睡眠不足で目がギラギラ。加えて上手くいかない恋路に鬱憤が溜まっていくトラヴィス。自業自得感は否めないが…いつ爆発するかのハラハラで目が離せなくなる映画🔥

完全に切れちゃった姿が見られる衝撃のラスト。突然アップになる演出や、濃いめの血の色合いなど昔の映画ゆえのチープさが逆に怖さを強調する。中盤でトラヴィスが繰り返し標的を打つシーンも、古さは感じるがその荒削りなカット割りが一線超えた狂気をよく表していた❗️

トラヴィスの行動は混沌としており、ベッツーに惚れて振られたら周囲の人物ごと牙を剥き、そんな最中アイリスを見つけ唐突な正義感を発揮したりと衝動的で感情移入し難い。トラヴィスの人格形成に関して明確な言及がないため外的環境を議論する余地もなく、その顛末は身勝手さが否めず自分事として感じられなかった🤔

一方エピローグではトラヴィスが英雄扱い、かつ再会したベッツィーはバックミラー越しに名残惜しそうな顔…想像とズレた結末に拍子抜けした笑 表面的な解釈だと感じ得ないメッセージがあったのかな…初見では理解できなかったです💦
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