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神様のくれた赤ん坊のkuuのレビュー・感想・評価

神様のくれた赤ん坊(1979年製作の映画)
3.5
『神様のくれた赤ん坊』
製作年1979年。上映時間91分。

子供を押しつけられた同棲中のカップルの父親捜しの旅を描くロードムービー。

同棲中の森崎小夜子と三浦晋作のところに、見知らぬ女が少年を連れて現われ、晋作の子供だと言って押しつけていった。
女の話では隣りに住んでいた明美という女が坊やを残して駆け落ちし、置手紙に晋作をはじめ5人の男の住所氏名が書いてあったのだ。
晋作と小夜子は仕方なく少年を連れ、父親候補の他の4人の男の許を訪れるのだったが。。。

Wikipediaによると
『ロードムービー』(road movie)は、映画のジャンルである。
旅の途中で起こる様々な出来事が、映画の物語となっている。
演劇では歌舞伎や浄瑠璃における「道行」(みちゆき)、文学における東海道中膝栗毛などの「旅行記」「紀行」「道中記」にあたる。
今作品は、将にこの定義にピタリ的な、ロードムービーの模範って云っていいような作品ちゃうかな。
主人公は、エキストラのアルバイトで生活費を稼いどる同棲カップルの晋作と小夜子(渡瀬恒彦、桃井かおり)。
ある日、晋作のガキかもしれへんと男の子を押しつけられたことから、物語が展開する。
蒸発した母ちゃんが『父親の可能性がある男』として、晋作を含む5人の名前をメモに残していたん。
身に覚えがない晋作は本物の父ちゃんを探しに、 子連れで旅に出る。
その旅に、小夜子も同行することになってドタバタ珍道中(古っ)かな。
なんと云っても、ロードムービーの基本中のキホンの主人公が旅に出る理由が、うまい。
しかも、父ちゃん候補は、
市長選の立候補者、
結婚式真っ最中の青年実業家、吉幾三やった😊
元プロ野球選手、
ヤクザの組長の 4人。嵐寛寿郎って貫禄ある俳優さんが演じてたが、この人はタイムリーでは知らないが、ガキのころ、近所のヨボヨボの爺さんが嵐寛寿郎に可愛がってもろたって耳タコくらいきかされたし、名前な覚えてた。
地域も尾道、別府、長崎、北九州(不思議と長短あるけど小生が過ごしたことのある町ばかり)と振り分けた。
個人的きは楽しくなる。
反マジメ精神を貫いた前田陽一監督の代表作とあった。
反マジメ精神もバツっと貫ぬけてた。
父ちゃん探しの縦糸に、小夜子が母親のルーツを探す話をからませたり、
前半で小夜子がエキストラで練習するセリフが、 ラストで大きな意味を持つとか、脚本もバリ練り上げられてた。一見、異質に見える主役の2人も、渡瀬が持つ軽みを引き出すことで似合いの カップルになってるし、今作品の監督が遺した人情喜劇をもっと観てみたいなぁと思いました。
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