南極の基地で共同生活する8人の男の物語。孤独な長い生活が続き郷愁に駆られる男たちの心の支えとなるのが、美味しい食べ物であるということがよく描写されている。
私は最初「料理人なんているのだろうか。カップ麺やレトルト食品でなんとかなるのでは」と思っていたが、全員揃って食卓を囲むこと、日々色んな料理を食べることは想像以上にバイタルとメンタルケアに繋がると感じさせられた。
この映画には悪者は登場しない。ストーリーも特になく、ただ8人の孤独な日々が過ぎていく。それだけなのにずっと見ていられる。
最後のシーン、ギトギトのハンバーガーを美味しいと感じたのは南極での共同生活を経て味の好みが変わったという、南極で過ごした日々の確たる証左という形に見えてグッときた。
とにかくまったりした映画を見たいと人に言われた時は、真っ先にこれをおすすめしたいと思う。