ちゃんしん

陽はまた昇るのちゃんしんのレビュー・感想・評価

陽はまた昇る(2002年製作の映画)
4.5
社会は一人一人の努力により出来ている。

今いる環境は今まで生きてきた人達ががんばって創ってきた歴史があるからこそ、自分達もその発展した環境を享受出来ている。
誰もが自分に課せられた役割(仕事)に対して、真摯に向き合ってきた結果がこの現代社会を構築したということだ。

ビデオデッキに限らず、どんな商品、どんな技術・サービスにもそれが産まれるまでの裏側にはたくさんの人の努力があり、苦労がある。
その努力や苦労があったからこそ、今のような便利な社会がある。

今の時代、この便利な社会の旨味を享受することに対して感謝することなく、その歴史的背景すら理解しない、そればかりか社会に対して貢献することすら放棄しようとする人間は多くなっている。

よく聞く言葉の中で特にふざけていると思う言葉は 「俺は働いたら負けだと思っている」 という言葉だ。
これほど世の中に対して甘えた感覚は無いだろう。

貴方の食べる食べものは?
貴方の乗るクルマは?
貴方の住む家は?
服は?
水は?
ガスは?
電気は?
病気になったときは?
道路は?
電車は?
バスは?…。

世の中はみんながみんな、何かしら、自分が出来ることをやり、社会で分担しているからこそ成り立っている。
それを放棄するということは、社会の一員としての義務すら担わない人間だということ。
行き過ぎた資本主義、お金があれば良いはもう終末社会と言える。
みんなの仕事に甘えて自分は何もしない…、でもみんながやった仕事の恩恵だけは受ける…。
ただの泥棒と一緒!
そればかりか詐欺をする、盗む、不正をする。そんなことばかり…。
たいへんな世の中になってしまった。

先人たちが創ってきた歴史があるからこその今。
悲しいことに、そのことすら理解していない若者が多いように感じる…。
何故、働くのか?
働く意味をもう一度考え直す意味でも、現在がある意味を考える意味でも観て良かったと思える作品。
社会は一人一人の小さな役割で成り立っている。

良作。
ちゃんしん

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