排路

世界を彼の腕にの排路のレビュー・感想・評価

世界を彼の腕に(1952年製作の映画)
4.5
マンの映画はミッションにむけて一直線で、回り道は絶対にしない律儀さがあるのがいいけど、ラオールウォルシュは、お隣のハーバードの学生にケンカをふっかけたり、全然関係ないお嬢さんの脚の手術に熱心になったり、本来やらなきゃいけないことそっちのけで関係ないことに力入れちゃってむしろそっちに主題が見いだせる感じがある。
アントニオーニの情事も行方不明の友達の捜索を忘れて男と女の接近の話になるけど、ウォルシュのコロッと変わる逸れ方にはアントニオーニにはない楽天的な豪快さと野蛮さがある。アラスカの買収がどうなるかより、渡されたナイフを床に突き刺して急に腕相撲が始まったり、ホテル代をどうにかしなきゃいけなかったはずなのに仲良いのか悪いのかわからない同業者とアラスカまでどっちが先に着くか競争が始まったり。おもしろかった。
アザラシの大群を描くのに異常に熱量かけてるのも、よかった。
排路

排路