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大樹のうたのkazu1961のレビュー・感想・評価

大樹のうた(1958年製作の映画)
4.2
🔸Film Diary🔸
▪️本年鑑賞数 :2022-564 再鑑賞
▪️死ぬまでに観たい映画1001本-593

🖋名匠サタジット・レイが描いた『大地のうた』、『大河のうた』に続く三部作の完結編にあたります。当時のインド社会の貧困問題、人の贖うことのできない世の常をオプーの人生を通じて美しく、切なく、そして力強く描いた三部作の完結編に相応しい作品でした。

🖋️『大地のうた』で姉を亡くし、『大河のうた』で父と母を亡くし、そして本作では新妻をも亡くしてしまいます。そして自分の魂さえも亡くしてしまいそうな時を経ながら、唯一の家族“息子”と生きていくことを決意する。。。そんな悠久のインドを舞台に“死”“生”“出逢”“別離”そして家族という人の贖うことのできない世の常をこれだけ見事に描いた作品はあまり類をみません。見事な三部作でした。

🖋️第1作目の暗示的で暗喩的なドキュメンタリータッチの作品からだんだんと物語のイメージが強くなってきたが故にその分クライマックスの感動も際立ったものになったかと思います。本作の中では30分ほどですが、最高にオプーが幸せだった結婚生活がとても印象に残ります。当時14歳だった新妻演じるシャルミラ・タゴールの無垢な美しさがとても印象的でした。

😌Story:(参考: allcinema)
肉親を失ったオプーは、作家としての道を志す。日銭を稼ぐ貧しい毎日にも関わらず、彼は美しい従妹と幸福な結婚生活を送っていた。やがて彼女は身ごもり、出産のために里帰りする。ところが彼のもとに届いたのは、難産のために彼女が死亡したという便りだった。オプーは息子にも会わず、一人放浪の旅に出る……。

🔸Database🔸
・邦題 :『大樹のうた』
・原題 :『Aqur Sansar』
・製作国 : インド
・初公開 : 1958
・日本公開: 1974/02/12
・上映時間: 111分
・受賞 : ※※※
・監督 : サタジット・レイ
・脚本 : サタジット・レイ
・原作 : ビブティブション・ボンドパッダエ
・撮影 : スブラタ・ミットラ
・音楽 : ラヴィ・シャンカル
・出演 : ショウミットロ・チャテルジー、シャルミラ・タゴール、スワパン・ムカージ、アロク・チャクラバルテ

🔸Overview (映画. com)
サタジット・レイのオプー・シリーズ完結篇。第一部「大地のうた」では主人公オプーの出生から少年期を、第二部「大河のうた」では両親を失くしたオプーが学業を終え自立するまでを、この第三部ではオプーが結婚して子供を生み、育てる過程を描く。製作・監督・脚本はサタジット・レイ、原作はビフティブシャーン・バナールジ、撮影はスブラタ・ミットラ、音楽はラヴィ・シャンカールが各々担当。出演はショーミットロ・チャタージ、シャルミラー・タゴール、アクロ・チャックラヴァルティ、シャパン・ムカージーなど。
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