りこ

気儘時代のりこのレビュー・感想・評価

気儘時代(1938年製作の映画)
2.0
今回も鏡が物語を進展させるための重要なツールになっていると思った。始めトニーは医者として責務に全うし、婚約相手の要望を実現しようとする。しかし、オクラハマと同様に主人公の心情をうつしだすことで、トニーは自分自身もアマンダへの愛を抑制していたことを自覚する。その鏡のシーンを経て次第に公私混同していき、夫になるトニーは自分自身でも精神分析の過程を体現しているように感じた。
また、最後のトニーがアマンダを操っているようなダンスにおいて、トニーの操りが衣装に反映されていると感じた。夢のシーンでは軽やかな白い衣装であったものの、最後のダンスでは、黒の衣装をアマンダがまとっており、アマンダが完全にトニーに染まってしまったことへの暗示のように思えた。
りこ

りこ