救済P

ドラミ&ドラえもんズ 宇宙(スペース)ランド危機イッパツ!の救済Pのレビュー・感想・評価

3.2
『翼の勇者たち』併映作品。

非常に多くの映像表現が用いられており、画に華がある映画。
冒頭の宇宙を旅する描写では滑らかに動く船体に、ブラーの効いた空間とまるで大友克洋監督作品のような雰囲気を漂わせている。かと思えば、歯車で満たされた空間を歩き続けたり、カメラが180度にわたりぐるっと移動するなど、作品の空気感を1つに固定せず、様々な映像表現を用いることで、ドラえもんズそれぞれの個性にあった演出が模索されている。

言葉の利けない敵には本能的な恐怖を感じるとともに、小型で増殖していく特性は不気味さに拍車をかけている。前半がわちゃわちゃしていた分、不気味表現が効果的に作用している。

しかし、ストーリーはほとんど無いに等しく、つまらない。ドラえもんが不在ということでドラえもんズの穴埋めをドラミが果たしているが、なぜか借り物の親友テレカを使えていたり、インスタントキャラがドラミたちを指して「あれが...ドラえもんズ...」と漏らすなどツッコミどころも多い。映像は楽しいが肝心のシナリオはお世辞にもおもしろいとは言えないので満足度は低い。
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