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カリブの白い薔薇のrumblefishのレビュー・感想・評価

カリブの白い薔薇(2006年製作の映画)
2.8
DVDのビジュアルがミスリード。
アナ・デ・アルマスのエロスを想起させるが、実は貧困層の少女が愛する男と希望の国アメリカを目指す物語だ。エロティックな場面は多少はあるが。

キューバ革命前の時代、アメリカへの密入国業者のシモンとその船乗りの一員のアンドレス。実際は密航者を米領の無人島に送り、あとはアメリカ本土へ辿り着けるか、運を天に任せる様な詐欺紛いの業者だ。

農家の娘、マリーはハバナの娼館に売られてくる。この娼館はその場で客を取らせるというよりは、田舎娘をレディに育て上げ、富裕層に結婚相手として“売る”商売をしている。
娼館のマダムは品評会を兼ねたパーティーの開催が儲けの様だ。こういう商売が実際にあったのか、それともフィクションなのか。
マリーも高齢の判事に見初められる。

シモンはこのマダムの情夫であり、娼館の商売にも関わっている。

当初、シモンはマリーに言い寄られても突き放す。マリーは商品なので、関係を結ぶことはない。
ところが、マリーがアンドレスと愛し合う様になると、シモンもマリーを愛する気持ちに気付く。

終盤、シモンがマリーを連れ出すので、マリーとアメリカへの逃避行に向かうのかと思いきや、“ニューヨーク”と称する無人島に一人送り出す。
アンドレスは船員に拘束されるが、海に飛び込みマリーの元へ向かう。シモンは結果的にアンドレスとマリーの仲を取り持つ形になる。おそらくこれがシモンの目的だったのだと思うが、少々分かりにくい。

キューバの時代背景を含めたピンとこない感じは、単にアジアをマーケットにしておらず、スペイン語圏に向けた作品だったのかもしれないと思うに至った。