佐藤克巳

東京の女の佐藤克巳のレビュー・感想・評価

東京の女(1933年製作の映画)
5.0
小津安二郎監督の小品乍ら、ローアングル、対面の特徴的クローズアップ等、小津作品らしい画面のポジションが確立された記念碑的傑作。学生生活を満喫する弟江川宇礼雄をタイピストと翻訳のアルバイトで二人っきりの家計を支える姉岡田嘉子。ある日、岡田の職場に警察が人事課長に事情聴取に来る。江川と恋人田中絹代は、映画館で「百万円貰ったら」を観ていた。家に帰った田中は、巡査兄奈良真養から岡田の容疑を聞かされ、急ぎ江川のアパートを訪れ、真実を江川に伝える。江川は、遅く岡田から電話が掛かるとそれを確信する。岡田は、翻訳は嘘で酒場の女で売春もしていた。深夜帰宅した岡田を、江川は殴りつけ街を放浪する。岡田は田中の家に来ると、田中に電話の呼び出し、兄から江川の自殺の知らせ。明くる朝、岡田のアパートに意地汚い新聞記者の取材合戦。布団に横たわる江川に、岡田と田中が「弱虫!」。
佐藤克巳

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