(ピアノ演奏:鳥飼りょう)
1917年のアメリカの第一次大戦参戦直前にグリフィスが
フランスの戦場でもロケして撮影しました。
第一次大戦は塹壕戦ですね。
鉄条網と塹壕と、そして戦車と毒ガスです。
この作品には毒ガスは出てきませんが、ドイツ帝国は残酷な手段をとりました。
〈第一次世界大戦とグリフィスの遠征1918〉
■ヨーロッパで第一次大戦中が勃発した後、1915年から16年にかけて「国民の創生」「イントレランス」という2本の超大作映画を製作し、巨匠として芸術家として世界的に知られる最初のアメリカの映画監督となったグリフィスは、イギリスでの「イントレランス」の公開時に英国首相のロイド・ジョージと面会する。ここでロイド・ジョージは英国が全面的に協力するという条件で、現在進行中の第一次世界大戦を題材とする映画の製作を提案した。それを受けてグリフィスが撮ったのが「世界の心」である。映画が大衆を動かし、政治的なプロパガンダとして効果的だと証明した最初のプロパガンダ映画でもあった。実際、撮影が始まった1か月後に平和主義者だったアメリカ大統領のウィルソンはアメリカの参戦を決断した。そして映画の完成と上映は戦時中となったのである。
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「世界の心」
Hearts of the World
1918/U.S.A/18コマ/117min
〈フェイマス・プレイヤーズ=ラスキー/アートクラフト〉
〈パラマウント配給〉
監督:D・W・グリフィス
製作:グリフィス、アドルフ・ズーカー
脚本:グリフィス(ヴィクトール・マリエール、
ガストン・デ・トリグナック)
撮影:G・W・ビッツァー、アルフレッド・マシン、
ヘンドリク・サルトフ
撮影助手:カール・ブラウン
編集:ジェームス&ローズ・スミス
助監督:ジョージ・シーグマン
技術監修: エリッヒ・フォン・シュトロハイム
出演:リリアン・ギッシュ(少女マリー)、
ロバート・ハーロン(アメリカ青年/ダグラス)、
ドロシー・ギッシュ(恋敵の村娘)、
ロバート・アンダーソン(カッコー)
ジョージ・シーグマン(フォン・シュトロム)、
ジョージ・フォーセット(村の大工)、
エリッヒ・フォン・シュトロハイム(ドイツ将校)、
(公開1918年3月12日アメリカ、6月イギリス公開)