妻の、一言では言い表せない、憎悪や愛情や、感謝や執着が入り混じった感情に振り回され、感情ではなく本能で追い求めるような、母性に近しい愛情。
夫の、妻として、母としての務めの外で一個人としての自分の価値に気付いてゆく妻への不安。そしてまるで情けなさを浮き彫りにして自分を納得させるかのような自虐的な破滅行動や不貞行為。
重たい作品ではあったが、世界観にもどっぷりと浸かれて良かった。
竹を割るようには割り切れない、そんな気持ちもあるんだということを汲もうとしない人たちは、どうしてこういった作品に手を伸ばすのか謎です。