けーはち

富士山頂のけーはちのレビュー・感想・評価

富士山頂(1970年製作の映画)
3.5
衛星🛰観測に代わるまで富士山頂🏔には大型気象レーダー📡があり台風🌀観測に大いに寄与したが、そのレドーム(レーダードーム)を備えた測候所を建設するまでを描く、「黒部の太陽」と並ぶ、石原プロのプロジェクトX的作品。昭和ならではの淡々と事実を描くだけでド迫力、一大国家事業系映画。何せ富士山頂剣ヶ峰は真夏も東京の真冬並の気温で7〜8月以外工事などできない過酷な環境。まして高山で重機を使う実績のない過渡期の時代。やはり命がけの覚悟が必要。裕次郎、渡哲也、山崎努の昭和男前主人公勢に負けず劣らず勝新や田中邦衛、佐藤允といったクセモノの労働者連中も濃厚な顔面暴力を振るっている。高山病や荒天に耐えるヘリ🚁作業などの悪戦苦闘の場面も凄まじいが、それ以上に冒頭の官僚への説得プレゼンや、短い工期をフルに使えるよういかに馬引きからブルドーザーに替えるなどして事前に現場に効率的に資材搬入するかと言った工夫の光るシーン、そして完成したレドームが六百キロ先の台風を捉えるシーンが印象に残る。