けーはち

スペシャル・フォースのけーはちのレビュー・感想・評価

スペシャル・フォース(2011年製作の映画)
3.2
特殊部隊がタリバンに囚われた女性ジャーナリストを救出したが、援護は途切れ、追手を迎撃しボロボロになりながらも雪深い山脈を徒歩で超える羽目に──日本劇場未公開のフランスのミリタリー・アクション映画だが、タジキスタンの三千m級の山で撮った本気の映像はハリウッドの凡百のアクションものよりも断然素晴らしいし、ダイアン・クルーガーをはじめとする座組もなかなか豪華に感じる。

フランスらしく国民もヒロインのジャーナリストも軍には批判的だが、そんな人間を救うためにも軍人は一命を賭して戦うという健気さ。そんな彼らに、ヒロインがジャーナリストの立場ではなく個人として好感を抱くというのはバランスの良い話運び。しかし、山岳地帯での地味な追いかけっこはリアルとは言えるが、それでは画がもたず飽きてきちゃうのは否めない。タリバンの親玉もあっさり死ぬし……😅

余談だが、本作映画の10年後、2021年に米軍が完全撤退したアフガニスタンをタリバン政権が握ってしまった現状を思うと、人の命を懸けた正義も何もかも全ては簡単に移り変わるものだなぁ、と諸行無常を感じるのであった。