ペイン

大菩薩峠のペインのレビュー・感想・評価

大菩薩峠(1966年製作の映画)
4.3
ジム・ジャームッシュ御大をして「美しくて残忍で、人生で観た中で最もニヒリスティックな映画だ」と言わしめた、岡本喜八監督による“USA三部作(※アメリカで評価された自身のサムライ映画3本)”の1つ。

この度、
クライテリオン版の高画質にて鑑賞。

仲代達矢を主演に携え、『赤ひげ』の2人(三船敏郎&加山雄三)に田中邦衛といった超豪華キャストが集った本作だが、世界的にはカルト的人気を誇るも日本ではあまり認知されていないのか、フィルマークスでも200件程しかレビューされていない。

たしかに同じ仲代達矢主演の『切腹』に比べるとリアリティーと説得力にこそ欠けるかもしれないが、それはそれはもう画面の隅から隅まで舐め回すように観てしまう傑作であった。

これまで観てきた岡本喜八監督の傑作『殺人狂時代』←(私的オールタイムベスト級)や『肉弾』にあったようなポップさ、底抜けの明るさとは本作は対照的で、仲代演じる主人公もとにかくニヒルなキャラクターであり、作品全体の雰囲気も暗めで画面全体もシャープ且つ抑えたトーンで格調高さを感じさせる。決闘の前の静けさなんかも堪らないものがあった。ただ尺はもう20分程削れたような気はするので-0.5。
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