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ファニーゲームのmahirunoahiruのネタバレレビュー・内容・結末

ファニーゲーム(1997年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

 再鑑賞。ひどい映画ってどういうのだったかなって思い出したくなって。もう始まって5分くらいで見るのやめたくなる。
 これでもわたくし好きでホラー映画ゴア映画を観ている者なのですが、ファニーゲームは全然気分が上がらないんですよね。これは自語りなんだけど、たぶん私にとって人体損壊系とか女の子がギャーギャー叫んで逃げ惑うのとかはアッパーのドラッグなんだけど、尊厳破壊系はダウナーのドラッグなんだよ。うまいこと混ぜ混ぜされてれば尊厳破壊系も別に嫌ではないんだけど(家畜人ヤプー系とかは風刺として良きだと思うし、西太后の人豚は中華残酷物語として好きだし)、アッパー要素がほぼないファニーゲームは苦手だ~。
 もう諦めてこの感想はすべて自語りとするんだけど、加害者側が何もしょってないのが苦手なのかなー。戦争や幼児虐待で心を壊された人であるとか、家畜人ヤプーだったら社会通念というものが形作る「常識」を持っている人とかが尊厳破壊を行うのならば、それはそれぞれ、人はやられたことをやり返すという物語であり、社会風刺常識風刺であり、加害者側もなんらかの被害者であるから、物語として成立していて、私にとって別に気持ち悪くない判定なの。西太后も、当時の中国の皇族敬いすぎ体質とやりすぎ権力争いが生んだモンスターがこれです、という物語でしょ。ファニーゲームの加害者は別に何の被害者でもないから……。でもそれで言うならファニーゲームのあのなよなよした人達は「観客側の視線というメタ」「刺激的な映画に飼いならされ、人の苦しみを娯楽として貪るようになってしまった哀れな豚のようななよなよした観客」という物語をしょってると言うこともできるのかな。そう考えたらなんかファニーゲームも普通に観れそうな気もしてきた。
 まあでもこの「うっ……(吐き気)」っていう感じを味わいたくてホラー映画観てきてるところあるので、ファニーゲームはいまだによくキマるドラッグだとも言える。優秀~。
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