ずいぶん前にDVDを買っておいたのに、観ないままになっていた作品を観ました。先日観に行った『首』での演技が印象的だった、加瀬亮と木村祐一が出てたもので。
完璧主義の妻とちゃらんぽらんな夫の紆余曲折。それなりに楽しくやっていたけれど、生まれて来るはずの子を亡くしてから、妻の様子に変化が。
気分は落ち込み、過度なストレスから鬱病を発症。
夫のカナオは、彼なりのやり方で妻の翔子を守る。感情をおもてに出さないカナオ。ドライなカナオ。マイペースなカナオ。
カナオを演じるリリー・フランキーと翔子を演じる木村多江の相性…これが意外と良い。ふたりの演技力の成せる技か。冒頭のおうちでの会話もおもしろい。対照的なふたり。
カナオはある日、夏目先輩(キム兄)からの紹介で法廷画家の職を得る。そうして嫌でも傍聴することになる数々の事件。子供を殺された親たち。子供を亡くした親たち。
夫婦の日常と、90年代に起こった凶悪事件の裁判の様子を並行して見せる。興味深い構成だ。
法廷画家の仕事に就いたからといって、カナオの感情表現が大きく変わることはない。カナオはずっとおんなじ。妻の病気が去るのをじっと待つ。彼なりのやり方。
まさに二人三脚だ。
悲しいことも、しんどいことも、面倒くさいことも、腹の立つことも、ふたりで乗り越える。
良い作品だった。
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●加瀬亮:連続幼女殺人事件の犯人
→めちゃくちゃ宮崎に寄せててすごい
●木村祐一:カナオの先輩
→やっぱりキム兄やった
●寺島進:翔子の兄
→やっぱり寺島進やった
●山中崇:翔子の同僚
→めちゃだるいやつ。山中くんうまい
●新井浩史:池田小事件の犯人
→久しぶりに見た。いい役者です
●八嶋智人:テレビ局の職員
→めっちゃだるいけど、彼も上手い。
●光石研:加瀬亮の弁護人
→被告人を持て余してる感じが上手い。
●柄本明:テレビ局のベテラン
→なんかいい。やっぱりいい。
役者陣もすごく良かったなぁ。