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ガンガ・ディンのTaulのレビュー・感想・評価

ガンガ・ディン(1939年製作の映画)
3.0
『ガンガ・ディン』初鑑賞。19世紀インドを舞台にした冒険活劇の大作。『魔宮の伝説』の元ネタで有名だが、後世の戦争娯楽ものや西部劇など様々な作品に影響を与えてるのを感じた。少数敵地潜入からの大決戦はスターウォーズっぱさもあった。またこの映画自体も20世紀初頭の連続活劇やスラップスティックの流れをくむのが見て取れる。寺院などのセットや合戦の群衆など、お金のかけ方はやはり凄い。

『ガンガ・ディン』キップリングの詩が原作で、彼の役が従軍詩人で登場するというメタ趣向。確かにインドの酷い描写の中にも、ガンガ・ディンや教祖の矜持には文学味があった。ケーリー・グラントには珍しいジャンルだが、その甘さが浮いててコミカルさに寄与した感じだ。あと象の名演が見られた。

1939年の作品。同年には『駅馬車』『スミス都へ行く』『オズの魔法使』『風と共に去りぬ』という歴史的な名作があってちょっと分が悪く、それらに比べると品質的には微妙だが、大らかな活劇大作としては、このジャンルではやはりエポックなのだろう。それと戦意高揚にはなったようだ。
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