佐藤克巳

男性対女性の佐藤克巳のレビュー・感想・評価

男性対女性(1936年製作の映画)
4.0
興行主の娘田中絹代と生糸貿易商の長男で考古学者佐分利信との冷めた恋愛劇には閉口するが、巴里帰りの同じく次男で舞台演出家上原謙と劇場照明係桑野通子が、レヴューを通じて親密を深めるバックステージ物としては秀逸さを発揮した島津保次郎監督の野心的大作。後者に専念すれば、アメリカの「ブローウェイ・メロディー」も顔負けの松竹少女歌劇団等の健闘もあったのにと惜しまれる。また、悪辣極まる河村黎吉の憎まれ役の名演は見事だった。
佐藤克巳

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