やすお

日本のいちばん長い日のやすおのネタバレレビュー・内容・結末

日本のいちばん長い日(1967年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

とても良い映画だった。

日本を旅する中で、天皇家が如何にして神格化されてきたのかを見てきたが、太平洋戦争を考える上でその過程を学ぶことが欠かせないことであったとこの映画を観て分かった。

太平洋戦争も他の戦争と同じように、仲間のために闘うことが軍隊としての大きな原動力であったことは間違いない。畑中筆頭に陸軍過激派が最後までポツダム宣言を拒否しようとしたのはそこにある。
しかし、原爆を落とされてなお戦争を続けようとしたり、特攻に突っ込んだりしたのは、やはり天皇の存在が大きかったように思える。すなわち、宗教的な盲目性や信仰心の特徴を孕んだ天皇性であり、大東亜共栄圏や国体護持という形で表象されていた。

私たちはそれらを判断する中で、誰が悪いとか誰が良いとか、あるいは安易に宗教がダメだとか…そういったことではなく、どのような歴史や構造があの過ちを生んだのか、その根本を考えるべきである。

例えば日本人の現人神的な価値観。日清日露での成功体験。陸海軍の縦割り行政。等々、過ちを再び起こさないためには日本人の特徴ファクトを正しく認識した上で、構造的に考えていく必要がある。それが民主主義を選んだ私たちの義務だと思う。
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