本を読む女、を読む女。を観るわたし。
心地よい入れ子構造の中で、文章が生むリズムと官能に気づいていく。
モーパッサン、トルストイ、『アリス』。誰かに本を選んであげること、その中のお気に入りの文章をなぞることは、それだけでなんとも艶かしい。
でも、主人公(ミュウ=ミュウ)のコケットな魅力のおかげか、ぬめっと重たくはならず、あくまでもカラッと笑いの範疇に収まっている。
ファッションやインテリアが見どころの一つで、玩具みたいなトリコロールが差し色に目立つ。
時折シンメトリーな配置も確信犯的だ。ちょうど、開かれた本のように。