このレビューはネタバレを含みます
「君が越してきたから、友達にホモって呼ばれてる。早く家に入れよ。バイ菌がうつって死んじまう」
友達のいない少年・エリックと、その隣に越してきたHIVの少年・デクスターの友情の物語。ニューオーリンズでエイズの治療薬ができたという記事を見つけ、二人は冒険の旅へと出る。
めちゃくちゃ泣いた。ラスト10分がとにかく素晴らしい。
葬式の日に、エリックが棺の中のデクスターの腕に自分のスニーカーを抱かせ、代わりにデクスターの革靴をもらって川に流した最後のシーンが秀逸。あのシーンだけでこの映画は観る価値があった。
後半で死んだふりのイタズラが突然現実になってしまった展開もかなり胸にくるし、亡くなった後に傷心している母が「時々遊びに来てね」と伝えたら、エリックが代わりに「25セント!」と言ってあげる優しさも良かった。
少年二人の冒険というジュブナイル要素もあり、残酷な結末を描く悲劇の要素もあり、とにかく見応えのある作品だった。
以下、セリフメモ。
「僕もこいつもホモじゃない。輸血でうつったんだ」
「治療法が見つかったら、でかいモンスター・サンデーを買ってみんなで食べよう!」
「…治療法は多分間に合わない」
≪食べたキャンデーの記録≫
「君のパパはニューオーリンズにいるんだよね?その治療薬を送ってくれと頼もう」
「今日エリックに草を煎じて飲ませた?あれは毒草よ」
「あんた何を考えてるの。はしかや水疱瘡じゃない。エイズよ!私まで殺すつもり?」
≪ママ、僕は旅に出ます。薬は全部持ったし、危ないことやバカなことはしません。テレビの「スター・ウォーズ」を録画しておいて。ママを愛してます。─デクスター≫
「真っ暗だとよくこうなるんだ。宇宙の直径は180億光年だって知ってる?その先をさらに180億光年進むと、きっと何もない」
「怖くなるんだ。僕は宇宙にいて、もう戻れないような気が…」
「それ(コンバースのスニーカー)を抱いて寝ろよ。目が覚めて怖くなったら、こう思うんだ。"これはエリックの靴。僕はこんな臭いスニーカーを抱いて寝てる。ここが宇宙であるはずがない。ここは地球でエリックはすぐそばにいる"。」
「…いい考えだ」
「僕を刺してみろ!僕の血は毒なんだ。一滴で死ぬぞ」
(死んだフリで医者を驚かせた後に)「"いつかこうなる"だって」
「友達の様子が変なんです。診てやってください」
「…残念です」
「僕のせいです。治療法を探せず…」
「何を言うの。精一杯やってくれたわ。病気と暮らしてたあの子…。独りぼっちで辛い日々を、あなたが変えてくれた。いい友達ができて幸せだったわ。幸せだったのよ」
「あなたにあの子の遺したものをあげたいの」
「2つだけ言うわ。エリックの親友が今日死んだの。お葬式に来させて。もう1つ。今度あの子に手を上げたらあなたを殺すわよ。いいわね?」
「ねぇ、時々遊びに来てね」
「25セント!」