若山富三郎の子連れ狼はずっと観たいと思っていた。監督は三隅研次だから間違いない。やっと観れて嬉しい。
公儀介錯人が背負うものが端的に理解できる導入部分と、オープニング(大五郎の無邪気さと音楽とのギャップ!)に引き込まれ、若山富三郎の殺陣シーン(序盤の波切りの太刀、終盤の華麗なジョイント式の長刀捌き、カメラワーク、編集など)に魅せられた。
そして、拝一刀が"子連れ"であることの見た目のインパクトが凄すぎて、無条件におもしろ過ぎるから、この生き方が何を体現しているか、自分の中で掘り下げてみたくなる。
だから本作に性的な描写が無ければいいのに!と思う。しかも何だかバイアスがかかった母性観や女性観みたいなのを絡めてくるから(時代違いとは言え)、気分が良くない。二作目も観たい気持ちはあるけど、引き続きそんなシーンがありそう。
この世界観を純粋に、本質的に味わいたい身としては、それがお約束のように挿入されているなら気持ちが萎える。