久保田靖史

他人の顔の久保田靖史のレビュー・感想・評価

他人の顔(1966年製作の映画)
4.5
 安部公房の原作小説は何度も読んでますが、この映画化作品を観るのは初めてでした。脚本は安部公房自身が担当。娯楽映画とするため、原作とは大きく設定が変えられています。
 映画は原作と違い結構笑えると云うか、ユーモアがあると思いました。武満徹の音楽が素晴らしく、圧巻は新橋のビヤホール「ミュンヘン」での前田美波里による「ワルツ」です。そう言えば「ミュンヘン」のシーンには安部公房や武満徹自身の姿が客として見る事が出来ました。
 それに60年代半ばの東京の様子や主人公宅の調度品など、時代の記録としても興味深いです。
 主人公の妻役・京マチ子が美しく、この時42歳ですが中年の人妻の魅力を見事に発揮してました。この傑作映画、YouTubeで無料で観れました。ありがたい事です。
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