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ポー川のひかりのsonozyのレビュー・感想・評価

ポー川のひかり(2006年製作の映画)
4.0
エルマンノ・オルミ監督が、自身の最後の長編劇映画と公言して手掛けた作品。

イタリアのボローニャ大学。
夏季休暇に入ってすぐ、大量の貴重な古書が太い釘で打ち抜かれているのが発見され、“書物の大虐殺”に騒然となる。
※原題『Cento Chiodi(100本の釘)』はここから。

事件の容疑者の哲学科主任教授は、車を飛ばしポー川(イタリア北部を横断する長い川)流域へ。
川岸の朽ちた小屋を見つけた彼は、郵便配達の青年ダヴィデや、パン/ピザ屋の娘ゼリンダ、村の老人たちと交流。
その風貌から教授は“キリスト”と親しまれ、村人たちは小屋の修復も手伝ってくれる。

ある日、役人が川沿いに勝手に暮らしているのは違法だとの通達が出て、教授や村人は追い込まれていく。。

前半のサスペンスフルな展開から、後半は美しいポー川やそこに暮らす人々の描写と寓話的な展開へ。

“書”の価値とは? “神“の存在とは?・・・

「書を捨てよ、町へ出よう(寺山修司)」という言葉をふと思い出したものの、今は「書を読め、町へ出るな」になってしまいましたね。。。

ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞: 審査員賞ほか
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