Gan

平成狸合戦ぽんぽこのGanのレビュー・感想・評価

平成狸合戦ぽんぽこ(1994年製作の映画)
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試写会で、宮崎駿がアタマからずっと泣き続けていたという噂の大作。
小さい頃に実家にVHSがあったものの、何となく説教臭さ(ほぼナレーションの時点で仕方ない)と画的な怖さを感じ、途中でやめた記憶。やっとちゃんと見れた。断言できるが、確実に子供向けではない。
高畑の、痛烈な宮崎へのメッセージ。
本当の自然、現実とは何なのか。
化かされているのはどちらなのか。

狸たちによる百鬼夜行?はアニメ史上でも屈指のワクワクするシーンだと思う。
浮世と幻想の中間地点にいる、狸を主人公にする高畑の着眼点が流石。膨大な資料研究と綿密な物語の構築が、随所に垣間見える。ただ、作品とメタ的な視点が錯綜しすぎていて、若干物語的には退屈さも感じた(ストーリーラインは割と崩壊してる気もする)が、そこが愛しい。
あと、高畑のユーモアセンスの酷さは絶望的であることを再確認した、、。

本作はノスタルジーの哀しさと滑稽さを描ききったように思う。"いつでも誰かが" はそれを体現したような曲調と歌詞で、大好きな曲。

そうして宮崎駿は本作のアンサーとして、3年後、「もののけ姫」を創る。
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