観終わって、最初につけたスコアは2.8だった。
今までにないグロテスクな描写に、すっかりメンタルをやられてしまったからだ。
目を覆いたくなる残虐シーンに、身も心も震え上がった。
思わず、観るのをやめようかと思ったくらいだ。
軍事政権により、民族虐殺が平然と行われているミャンマー国。
そこに訪れたボランティア団体が、軍に拉致されてしまう。
彼らを救うべく、数人の救助隊と共に現地に向かうランボー。
追う者と追われる者、やがてそこは戦場と化す…。
前作から20年の時を経て制作されたPART4。
シルベスター・スタローンが自らメガホンを取った。
スタローンはこの映画を通じて、一体何を訴えたかったのだろう。
カレン族が軍から受ける非人道的な暴力行為が、あまりにもむごたらしく残酷で、見るに耐えなかった。
男たちは地獄絵図のようにいたぶられ、子供たちは虫ケラのように殺される。
女たちは屈辱的な暴力を繰り返し受け、結局命を奪われる。
狂った世界。
こんな事が、今も世界のどこかで実際に行われているというのか。
ここまで描き切ったスタローンの真意は何だったのだろう。
そう思った時に頭の中に甦ったのは、ランボー対ミャンマー軍の戦闘シーンだ。
それはまさに戦場。
首は吹っ飛び、体は真っ二つ。
手足は無惨に引きちぎられる。
飛び散る肉片、地面を覆う大量の血。
ランボーたちの手によって、悪人たちは次々と制裁されるのだ。
これはランボーの、そしてカレン族の「怒り」だと思った。
長い間虐げられて来たカレン族の激しい怒りが、今爆発しているのだ。
スタローン監督は本作で、その深い哀しみと怒りを訴えたかったのではないかと、やっと気がついた。
ただグロいだけのシーンではなかった。
これは弱者として迫害された者たちの心の叫び。
そう思った。
気がつくと、スコアは4.0に上昇。
「ランボー」というよりも「戦争映画」を観ているようだったが、これもひとつのランボーが歩んだ道だと感服した。
ムダに生きるか、
何かのために死ぬか、
お前が決めろ 。
ランボーにそう諭された気がしたけど、私はきっと無駄に長生きするんだろうなって思った。
ランボー、ごめんなさい。