ポルりん

ドラッグストア・カウボーイのポルりんのレビュー・感想・評価

2.6
映像的に凝っていて感銘をうける箇所はあるものの、全体的に中途半端にマジメくさいので、悪印象を抱いてしまう作品。

■ 概要

『ガス・ヴァン・サントの35ミリ映画監督デビュー作。
麻薬を打った時に現れる幻覚を映像で描き、麻薬が人に及ぼす精神状態の変化など、麻薬の魅力と恐怖の両面を描いた作品』


■ あらすじ

『新たな薬を手に入れるため、ドラッグストアを次々と襲撃しその日暮らしをするボブ(マット・ディロン)とその仲間たち。
犯罪のスリル、静脈を走り抜ける急激なラッシュ(高揚感)、やがて全身を包み込む快感……それさえあれば満足だった。
だが、仲間の1人でまだ10代のナディーン(ヘザー・グラハム)を襲った事件が彼らの日常を更なる悲惨なものへと変えていく……。』


■ 感想

ガス・ヴァン・サント監督は私の好きな監督の一人であるが、正直本作に関しては好印象を抱くことが出来なかった。
というのも、そもそも私は基本的に、ドラッグ中毒やアルコール中毒をメインテーマにしている作品があまり好きでない。
いや、それら中毒者を題材にし、青春物語や純粋さを描いた作品が嫌いなのだ。
そういう連中で青春だの純粋だのを見せられても、特に説得力もないし、余りにもイージーすぎる。
なんだったら、悪趣味とすら思えてくる。

独立する前に、何人かアルコール中毒者を見てきたが、ろくな人間じゃない事が多い。
その内の一人には、とんでもない迷惑を掛けられたもんだ。
ミスが多いので、構造的に業務のシステムを見直そうにも、本人が全くやる気がなく、


アルコール中毒A「年下の癖に生意気だ!」


と、高圧的な態度を取ってくる。
当時、付き合う前の妻との初デートを、このアル中が問題を起こしたせいで遅刻せざろう得なくなった事を、私は忘れない。
因みにそのアル中は、新規のお客さんを侮辱した事が原因で、消えたけどね・・・。(アル中はどうでもいいが、派遣会社の担当者の、涙を浮かべながらの切実な謝罪は心苦しかったな・・・。)


話を映画に戻すが、本作は1970年代のドラッグ漬けの青春物語を描いている。
演出や編集に関しては、監督がガス・ヴァン・サントという事もあり、素晴らしいとしか言いようがない。
ただ、中途半端に真面目で、平凡な人間が不良に憧れて撮影したとしか思えない内容であった。

それと本作では、主演のマット・ディロンがドラッグ中毒者を演じている。
ドラッグ中毒者を的確に表現しようとする熱意は伝わってくるのだが、美男子すぎてドラッグ中毒者に見えなかった。
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