Foufou

亡霊怪猫屋敷のFoufouのレビュー・感想・評価

亡霊怪猫屋敷(1958年製作の映画)
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妻の結核の療養のため北九州に同伴する壮年の医者。幽霊屋敷といわく付きの古い日本家屋に住むことになるわけですが、モノクロ映画かと思いきや、江戸時代の因縁話になるに及んで突然カラーになるんですね。これがもう新鮮で、そこからは釘付けでした。

本作では、歌舞伎の所作が随所に取り入れられているのがまず新鮮でした。恐怖の演出方法としては、今となってはあまり見るべきものはないかもですが。

せっかく「小手毬のお屋敷」とあだ名されるくらいに庭一面白い花が咲いていましたからね。ここはもう少し血糊が欲しいところだなぁと、現代人の感覚からするとちょっと不満でした。

猫が年食って化け猫になりました、ほかに因果なんてございません、ってな話を期待したんですが、猫が化けて出るにも相応の因果が、つまり合理性があるわけなんです。それはそれで面白いんですが、理不尽でなくなる分、怖さも半減すると言いましょうか。

怪談には二種類あるな、と。一つは怪現象の因果を探るパターン。もう一つは、人知を超えたなにかにひたすら苦しめられるパターン。
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