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グラン・ブルー/オリジナル・バージョンのbluetokyoのレビュー・感想・評価

3.7
公開当時はけっこう有名な映画だったな。レンタルで見たけど、あんましよくわからなかった。ストーリーは、ないに等しくて、世界観の映画という感じ。あと、海だよな。これだけ、海の存在感を前面に出した映画はないだろう。そもそも、そのような発想もいままでなかったはずだ。それはそれとしても、なにか、海そのものが、人類の限界、いや、運命を提示しているようで、深く考えさせられる。

冒頭は、主役のジャックとエンゾの少年時代。海底に沈んだ金貨。ガキ大将のエンゾ少年が潜って取ってしまうんだっけ。なんの寓意かわからない。たしか、もう一度金貨を海に投げ落とすから、六、数える間にとって来れば、お前のもんだ、とエンゾ少年はジャック少年に言うのだが、ジャックは応じなかった。

その次は、ジャック少年と父親が仕事に出るわけだが、父親は潜水夫なのだ。で、父親は体調が悪いのか、潜りたがらないが、仕事なので、仕方なく潜る。得てしてこういう場合は、事故が起こってしまう。
で、近くの岸壁でエンゾが釣りをしているわけだ。おお、ジャックじゃねえか、などと日常的な挨拶を軽く交わしたりする。父親が事故で浮上しないので、泣き叫んで半狂乱になっているジャックをエンゾは見ているわけだが、エンゾもなにもできない。エンゾも叫び声をあげる。
このシーンも、寓意的なのだが、なにを意味しているのかわからん。

あれから二十云年、エンゾはフリーダイバーの競技者?になっている。それで暮らしているのかな。ジャックはイルカの飼育係?世話しているようには見えないけど。そのときは、冬の南米、凍り付いた湖?潜水して調査かなんかしている。調査に関して、保険会社からジョアンアが派遣されてくる。研究者の実験に協力していたのか。
ジョアンナは、たちまち、ジャックの潜水能力と相まって、不思議な魅力に惹かれてしまう。

エンゾは、ジャックを探す。見つけると、フリーダイビングの大会に出場するように説得する。

ジョアンナは、ジャックが大会に出場することを聞き付けて会場に行く。ジャックとジョアンナの再会。

エンゾが記録を打ち立てると、ジャックがそれを塗り替える。
さらに、エンゾがその記録を破るとジャックはそれを上回る記録。

エンゾはその記録を破るために潜るが、命を落とす。ジャックは、エンゾの望み通り、遺体を海の底に沈める。

後日、あとを追うように、ジャックは、海の底に沈んでいく。

という風に、ストーリーは、あってないような感じだ。

あえて言うと、シーンのなかに、たびたび登場するイルカなのだが、ようは、イルカなのかもしれない。イルカはもともと陸生の哺乳類だが、ある時期、海で暮らすことを選んだのだ。その最初、海に入ったイルカこそ、エンゾとジャックだったのでは、と思えてしまう。そんなところかな。
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