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サマーウォーズのmitakosamaのレビュー・感想・評価

サマーウォーズ(2009年製作の映画)
3.7
時かけから続けてヒットを出して、これで細田は不動の地位を気付いたと言っても良いね。あと神木きゅんが声優としての実力を世に知らしめもした。
今じゃ夏の風物詩映画のようになったもんな。確かに今作の抜ける様な青空からは夏の空気感がフィルムから漂ってる気がするよ。

そして、最も細田作品特有の“世界観の狭さ”が如実に出た作品だとも思う。
親戚の集まりに誘われた健二が人工知能ラブマシーンを解読し、ラブマシーンの開発者が親戚の侘助だったことがわかり、仮想世界OZのヒーローキングカズマが親戚のカズマで、ラブマシーンの暴走を親戚一同で回避する。

ラブマシーンの暴走が世界的危機を呼ぶというのに、全てなつきの親戚の中で話が始まり、話が終わる。親戚に自衛隊のお偉いさんや、スパコンを調達できる人がいるなど、偶然にしても出来過ぎてるだろー!

そう考えると話がだいぶ無理がある気もするんだが、案外話の矛盾を感じさせない。
電脳空間OZで世界中がネットワークで繋がっている、というのが上手く作用しているのだとも思う。
現実世界と仮想世界と親戚付き合いという、3つの世界観を混同させたことが、今作最大の矛盾であり、最大の魅力でもあるのだと思う。

OZのビジュアルはデジモンの映画で培われた表現。電脳世界を3Dデジタルで、現実世界を2Dで差別化する方法だね。デジタルの無機質感を逆手に取った表現方法。(大っ嫌いな村上隆もヴィトンの広告で利用した)

細田自身が親戚付き合いを通じて経た発想の映画だと言ってるし、私生活が如実に反映される監督だということもポイントだな。
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