mh

84★チャーリー・モピック/ベトナムの照準のmhのレビュー・感想・評価

5.0
POV(Point of View)やファウンドフッテージなんて言葉が一般化する以前につくられた世に出るのが早すぎた戦争映画。
一人称視点というとらえかたをすればPOVであってるんだけど、この映画の場合「見つけられた映像素材(を未編集のまま)」という状況そのままなので、ファウンドフッテージとしたほうがより正確。
ベトナム戦争の偵察部隊に密着取材する撮影者という設定。POVにしたことで、低予算であることを感じさせないことに成功している。
シナリオにも凝っている。小隊メンバーそれぞれにインタビューするんだけど、そのリアリティたるやただごとではなかった。現場にいたひとだけが知るあるあるを満載にした会話が臨場感を底上げしてくれる。
たとえば、新人(カメラマン)に銃を向けるようなモラハラ気味の隊長だけど、部下からは頼りがいがあるとされて慕われていたり、花のにおいをかいだり、たばこ・マリファナを吸うな(400メートル匂いが届く)と諭されたり。
ラストのツイストはありがちのような気もするけど、正面切ってやられると声も出なかった。作中でもテープチェンジのくだりが何度かあったけど、それがラストにも効いている。この映画がファウンドフッテージであることを強調した素晴らしいシナリオでした。
監督・脚本は「ニックオブタイム」の脚本家さんかよ! どおりで!
面白かった!
mh

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