けーな

2番目のキスのけーなのレビュー・感想・評価

2番目のキス(2005年製作の映画)
3.6
今作は、コリン・ファース主演のイギリス映画「ぼくのプレミアライフ」を、アメリカを舞台にリメイクした作品。どちらも、原題は、「Fever Pitch」。

コリン・ファースの方では、サッカー(正確にはフットボール。イギリスでサッカーと呼ぶと怒られる)のプレミアリーグのチーム、アーセナルの熱狂的ファンの男が主人公だったが、こちらでは、野球のボストン・レッドソックスの熱狂的ファンの男が主人公。どちらも、ファンであるチームに人生を捧げている男の物語。

イギリス版も、このアメリカ版も、どちらも、それまでなかなか勝てずに低迷期だったチームが、劇的にライバルチームに勝って、優勝した、史実を交えて描いたストーリー。

元のイギリス版の方は、「アバウト・ア・ボーイ」などで有名な原作者ニック・ホーンビィが、自分のことを書いてベストセラーになった小説を映画化したもの。このアメリカ版の方でも、彼が制作に携わっている。

私は、イギリス版より、今作の方が、断然、共感持てて、こちらの方が楽しめた。それは、私自身が野球が好きってことと、WBC以降、大谷翔平を始めとする日本人大リーガーの活躍が、日々話題に登っている昨今なので、メジャーリーグに夢中になっている主人公のことを理解しやすかったからかもしれない。イギリスのフットボールファンは、どうも、一時期、暴徒化したフーリガンのイメージがいまだに強くて、映画でも、引いて見てしまったから。

とは言っても、主人公ベンみたいに、人生全てをチームに捧げ、生活全てが染まり切ってしまうのは、いかがなものか。部屋の壁には、全てポスターが貼られ、他にもたくさんのグッズで埋まってるとか…。家族は、困るよね。今作みたいに、恋人にとっては、ほんと悩ましいことだと思う。情熱を捧げるのは、素晴らしいし、熱中するのは構わないけど、何事も、ほどほどにっていうのが大事だし、愛する人の気持ちを考えることは、忘れないようにしないとね。

途中、ガム噛んでる少年が、とても良かったな。彼の意見が、深かった。

それにしても、邦題がひどい。
けーな

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