菩薩

どん底の菩薩のレビュー・感想・評価

どん底(1936年製作の映画)
3.5
どん底はどん底なのだがそのどん底は上を見上げる為にあり、また下を見たとてこれより下は無いのであり、住めば都と化すどん底でもある。そこを抜け出したいと欲する者もいれば、わざわざそこに落ちてくる者もおり、死はここでも解放として用いられる。ある者は病床で、ある者は不誠実さを責められタコ殴りにあい、ある者は希望の演目を演じ終えそれと共に人生に幕を下ろす。呆気なく乾いた死、人生を「そんなもんさ」とセ・ラ・ヴィのリズムで総括してしまう良い意味での適当さ加減、40ルーブルで何が出来ると問う訳でもなく40ルーブルありゃなんかしら出来るだろうと、後は神のみぞ知る。友と分かち合ったブロンズ像、その再会はいつか必ず成し遂げれ、像は元の形を取り戻し、男爵もそこを抜け出す日が来るだろう。にしてもギャバンの右ストレートがなよなよ過ぎて笑える。ギャンブルは程々にせないかん、賭博、ダメ絶対!
菩薩

菩薩