【古典映画の長所と短所】
ゴーリーキーの有名な文学作品をフランスで映画化した作品。
ただし私は原作は未読です。
安アパートに暮らす人々を群像劇のようにして描いた映画。
いちおうの主役はジャン・ギャバン演じる泥棒ですが、見ていて面白いのはギャンブル好きの男爵。賭けで財産を失ってしまって屋敷の家具調度類も差し押さえられてしまうのですが、その彼が泥棒のジャン・ギャバンと友人になるあたりが面白い。
これに比べると、アパート所有者夫妻の妻の妹が、ジャン・ギャバンと恋仲になるあたりはありきたりで面白みがない。
古典的な映画の筋書きはまあこういうものでしょうが、男爵の破格な生き方や、他の人々の貧しいゆえの狂気や蹉跌と比べると、ちょっと出来すぎの感があります。
でも、昔の映画だから、こういう面がないと受けなかったんだろうなとは思いました。