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自由の代償のtntnのレビュー・感想・評価

自由の代償(1975年製作の映画)
4.5
初見時は微妙だったけど、見直すとかなり面白い。
正しくサーク以降のファスビンダー映画。
ファスビンダー自身が演じるフランツ=フォックスの身振りは、ブルジョワ階級からの搾取によって停止させられるのではなく、矯正させられる。
マイノリティを排除するのは眼差しではなく、文化的コードへの知識の多寡。この構造に気づいていながら「本当の愛」などという美名で自分も他人も騙し続ける人間達。



やや、というか結構苦手。本人が出てくるし、解説にもあるように、ファスビンダーの私小説的要素もかなり強い作品なのだろうが、他作品に比べて画面やサントラがそこまで凝ったものに見えず(むしろ全体的に寓話的トーン)、かなり退屈してしまった。。
同性愛と異性愛を区別して考えなかったというのも頷ける。同性愛差別のあからさまな描写はなく、パートナー間の不均衡な関係性や搾取の関係性が描かれる。
ファルス的モチーフも多数。
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