ジェーン・フォンダとジョン・ヴォイトという思想的に真逆な二人をキャスティングした時点で何かあったのかな…？と思わされる。
同年公開された『ディア・ハンター』と並んで、ベトナム戦争後遺症を描いたヒューマン・ドラマの秀作。ヒッピー世代の監督ハル・アシュビーらしい叙情的な作風が私としては好みだった一作。
脇役のブルース・ダーンも二人に匹敵するくらい味わい深い演技。この監督は役者に対するアプローチがいつも暖かく、観てて安心する。個人的にハル・アシュビーのベストはフォーク好きには堪らない『ウディ・ガスリー/わが心のふるさと』なのだが。
今、こういう戦争を体験した世代が減ったので若い人にはピンと来ないのかも知れない。『７月４日に生まれて』の後に本作を観ると、如何にあの映画がどーしよーもない駄作かが良く理解できる。トムクルは罪深い奴だ。
とにかくキャスティングが素晴らしく、『ディア・ハンター』と共にアメリカン・ニューシネマらしい苦渋と諦念に満ちた珠玉の感動作。
