ゼロ

ファイト・クラブのゼロのレビュー・感想・評価

ファイト・クラブ(1999年製作の映画)
4.8
すべてを失って、初めて真の自由を得る。

デヴィッド・フィンチャー監督と主演をブラッド・ピット氏の作品。このコンビは名作・セブンでタッグを組んでおり、本作もセブンに負けじと名作になっていました。

この映画を一言で表現するならば、血生臭い男の資本主義批判映画です(笑)。表題が「ファイト・クラブ」であるため、戦うのがメインなのかな?と思ってましたが、メインは違うところにありましたね。血生臭いと感じたのは、女性はヒロインのマーラくらいで、あとは野郎しか出てこなかったのも要因かと思います。

主演のブラッド・ピット氏は、カッコ良かったです。美しい男というカッコ良さではなく、野蛮人な感じが雰囲気があり、終盤では坊主になるのですが、それもまた美しかった。語り部を演じたエドワード・ノートン氏も不眠症の男性を熱演しておりました。

作品としては、随所にサブリミナルを入れてきております。作品としても、終盤のネタ晴らしを唐突にならないよう予感めいたものを入れており、好感が持てました。タイラー・ダーデンは、何処にいるんだ?は、誰も掴めないものです。

今の生活に満足できず、ストリートファイトをして、生の実感を得る。なかなかバカで、男らしい考え方ですが、嫌いではありません。資本主義を否定つつ、でもこの作品を付くのには資本はいるよね?の抵抗をデヴィッド・フィンチャー監督がラストに男性の陰部を入れることで誤魔化す。なかなかお茶目じゃないですか。

総括としては、語り部とタイラーの対比を描きながら、変わっていく語り部と二転三転するシナリオにしびれた作品でした。登場人物に生き様を感じるようなものもあり、とても良い作品でした。
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