あしたか

シティ・オブ・エンジェルのあしたかのレビュー・感想・評価

シティ・オブ・エンジェル(1998年製作の映画)
2.5
天使がどういった存在か、天使には何ができるのか、人間の人生にどう介入できるのか、人間と何が違うのか、感情や思考のメカニズムはどうなっているのか、そもそも天使に感情はあるのか、人間に恋をする天使は他の天使と何が違ってそうなるのか、それはどのくらいの確率のイレギュラーなのか、等々ばかりを気にしてしまって物語に入り込むどころではなかった。

要はこの世界の”ルール”が解らない。
自分は天使という人間の上位存在が一体何者なのかが気になって仕方がなかった。ファンタジーではなくSFとして捉えてしまっていたようだ。
ルールが解らない以上、感情移入の余地は無い。全く知らない未知のスポーツにドキドキできないのと同じである。
またこの映画の後の主人公の行く末が気になって仕方がない。絶対に後悔するよ。
私は間違いなくこの映画を見るための観客ではなかった。
昔見たこれと似たような(これよりずっと酷かったが)くっそつまんない学生演劇作品を見て怒りすら覚えてアンケートにボロくそ書いた時を思い出した。

同様に天使が出てくる作品で『素晴らしき哉、人生!』や『天使のくれた時間』(同じくニコケイ主演)があったが、それらは大好きだ。
本作と何が違うかと考えると、あちらは天使が舞台装置に過ぎない役割をしており、天使に感情移入する必要があまりないというのが大きな違いだろう。
本作では得体の知れない”天使”とかいう存在を信用してそいつに感情移入しなければいけないのがそもそも難しいことであった。

ニコラス・ケイジの真っ直ぐな瞳とメグ・ライアンの美しさに2.5点。
あしたか

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